プロジェクトを失敗させないために必要なリーダーが意識すべき3つのポイント

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コンテンツ制作を行うプロジェクトにおいて、失敗させずプロジェクトを終了させるために必要なリーダーが意識するべき3つのポイントについて書いてみようと思います。プロジェクトマネジメントといったような学術的な観点から円滑に管理する手法も存在していますが、あくまで制作プロジェクトを管理して来た経験からリーダーが持つべき意識的なポインに絞ってお伝えできればと思います。

当然のことながら、プロジェクトには予め設定された予算と期間が存在します。失敗するプロジェクトとは、その予算や期間でプロジェクトが終了させられない、いわゆる【炎上】と呼ばれる状態に陥ってしまう状態を指します。特にバジェットが大きく、関わる人間が多ければ多いほどプロジェクトをコントロールする難易度は上がりますが基本的に重要なポイントは変わらないと思っています。

1. スコープのマネジメント

スコープとは最終的に目指す成果物の形です。制作を始める前に何をどのようなクオリティで完成させるのかを明確にする必要があります。つまり、プロジェクトを始める前にある程度、プロジェクトに関わる全員が同じ認識を持ったうえで作業をスタートさせるための仕様書の存在が重要になります。

具体的には「仕様書」が資料として存在しているか?また、その「仕様書」の精度は十分であるかどうかを確認しておくことが最初の非常に重要なポイントです。果たして資料がない状態で制作を進めることがあるのかと疑問に思う方もいるかも知れませんが、以外に疎かにしてしまっているプロジェクトは多いです。また、仕様書はあっても制作している途中であれもこれもと、どんどん仕様が追加されるケースも多く、プロジェクトを炎上させる要因となってしまっています。もちろん完成するまでの過程において成果物のクオリティにおける方向性を見直す必要は必ず出てきますが、もともと目指している着地点は明確にしつつ共有しておくことが非常に重要です。

あなたのプロジェクトにクライアントが存在するのであれば、クライアントから明確な仕様書をもらう必要がありますし、ない場合、またこちらで作る場合は、しっかりとクライアントの意図を拾い上げた上で、しっかりと先方にも確認し共通認識を持った上で、現場の人間や協力してくれる外部の会社にも、しっかりと伝わる仕様書を準備する必要があります。くれぐれも口頭だけで確認して相手が自分と同じ目線になったと勘違いしてはいけません。作るものに合わせ仕様書の具体性や作り込み具合もレベル感が存在しますが、必ず資料として準備してから取り組む必要があります。

2. 時間とコスト、品質を見極める。それは妥協?

2つ目に重要なことはタイムマネジメントとコスト・マネジメント、クオリティマネジメントです。プロジェクトリーダーにはスコープの本質を考慮して時間とクオリティ、費用のバランスを考えて匠にコントロールする決断力が必要です。

妥協と、必要な判断の違いに触れます。妥協とは、スコープ、製品としての着地点を無視してある程度の品質で諦めることです。製品全体の品質が損なわれることがない部分はある程度の品質でもOKとして、製品全体の品質を左右するような部分はとことんこだわることを必要な判断といいます。それにはある程度、俯瞰からプロジェクト全体を見渡す意識や経験、能力が必要になります。そこでOKとしたものについては、これは妥協ではありません。製品を作ることには必ず目的が存在します。「人を楽しませる」とか「とにかく売りたい」とか様々ですが、予め設定されたスコープに対して目的が達成できればそれで良いのです。

これができそうでできてないプロジェクトリーダーは本当に多いと感じます。特に長期的なプロジェクトでは最初に取り掛かる部分的な品質ばかり見て、全体の品質を結果的に落としてしまうような場面を実際の現場でもしばしば目の当たりにすることがあります。すべてのティティールを納得の行く最高の状態に仕上げられることができれば、それ以上に良いことはありませんが、プロジェクトに関わる人間全員がベテランとも限りませんし、エキスパートというわけにはいかないのがほとんどの場合です。

プロジェクトのリーダーには、予め設定したマイルストンとスケジュールを考慮しつつ、場面、場面で妥協ではなく、見極めの目を持って必要な判断をしていくことが求められます。その上で先を見通してやれないと判断する場合もありますが、その場合に初めてアサインする人間や会社を見直したり、仕様を再検討する等、現場目線より上のレイヤー検討が必要になってきます。

3. 人のマネジメント

最後に重要なことは、人のマネジメントです。これは非常に難しい部分です。ある程度手順を覚えてしまえばできる手法と違い、人はナマモノです。扱いやすい人もいれば、扱いにくい人もいます。また、どの仕事を誰に割り振るのかなどスキルを見極めて割り振りを行う仕事の内容を変化させる必要もあります。

まずは、人をうまく使うという面から話をしていこうと思います。

先程も述べたように人はナマモノです。怒ることもあれば、怠けることもあるし、日によってモチベーションの高い日、低い日など非常に扱う上で不確定要素を持ったリソースです。これから人を使ってプロジェクトを進めようというリーダーの方は、それを当たり前だとわかった上で向きあう必要があります。

軍隊であれば上司の命令は絶対、ですが仕事の場においてリーダーは、自分の言ったことに絶対服従するのが当たり前という考えを持って仕事をすると必ず失敗します。なぜなら、特にクリエイティブな現場では、気難しい人もいれば、メンタルの弱い人など様々な人が関わります。例えば気難しい人で自分の作るモノにこだわりがあるクリエイターがいた場合を想像してみてください。その人の持ち味を考えずに型にはめようとしたとき、果たして良いものが上がってくるでしょうか?私の経験上、答えはNoです。モチベーションが低下し、言われた通りのことしかしなくなってしまう場合がほとんどです。普通の現場で言われた通りのことをするというと、それで良いのでは?と思うかもしれませんが、ことクリエイティブの現場では言われたことしかしない状態というのは全く良い状態ではありません。なぜならば、クリエイティブな現場いというのは、単純作業ではないからです。

例えば、「この紙の文章をデータ化しておいて。」というのは単純作業です。誤字脱字などのミスがなければ言われたことだけをしていて問題ありません。ただこれがクリエイティブな現場での作業だったとします。「かわいいキャラクターを描いて」というオーダーは単純な作業ではありません。かわいいキャラクターの定義は、また人によって好みも存在します。かわいいキャラクターは100人いれば、100人が違う好みを持っています。実際に成果物ができてきたときに、「ぜんぜんかわいくないじゃん。やり直し。」といおうものなら、その人の人格を否定していることと変わりありません。そんなことをしたら、次からその人にキャラクターをお願いしても、輪郭の形は?目と目の間は何センチ離すの?など事細かに指定して言われたことだけを行う関係になってしまうかもしれません。

ちょっとわかりやすく極端な例をあげましたが、クリエイティブな制作現場でプロジェクトのリーダーは人に対して、その人が最高の品質で仕事ができるような仕事の割り振りや、依頼の仕方に非常に気を使う必要があります。

それでは最後に、仕事の割り振りについて触れて終わりにしようと思います。先ほどは人をうまく使う上での心構えに触れましたが、今度は仕事の割り振りと流れの構築についてです。先程も述べたように、人には個性があり得意不得意があります。プロジェクトを実際に動かし始めたら、その点を考慮してチームの構成と、成果物の流れをコントロールしていく必要があります。

モデリング担当に絵を書かせて、キャラクターデザインの人間にモデリングをさせても仕事は回りません。そんなことをさせる現場はまずありませんが、それに近い現象はしばしば起こります。それは、不得意な作業を、不得意な現場に振ってしまった場合のアフターフォローが足りていないときに起こります。プロジェクトのチームや協力会社をアサインした際、慣れない現場を使うこともプロジェクトではよくある話です。ただ、上がらないクオリティを上げてくれと言ってできるのであれば、最初からやっています。アサインした以上は有効に成果物を上げてもらうためのフォローをする必要があります。フォローの内容は様々で、エフェクト制作が不慣れなのであれば、エフェクトの部分のサンプルをしっかりと準備するか、エフェクトは別に振って単純作業をお願いする等、振る仕事を変化させるなどの工夫も必要です。

予め割り振りをする前に、見極め、得意不得意を考えて人や会社をアサインするのは当然ですが、そうならない場合もよくあることなので、リーダーはその点も臨機応変にフォローする意識を、またそれを行える知識、スキルを身に着けている必要があります。

実際の見積もりやスケジュール作成、プロジェクトを管理する上で必要な実務面でのテクニックも今後触れていこうと思いますが、今回はリーダーが意識するべきポイントにさわりだけ触れてみました。これからリーダーでプロジェクトを管理する人も、今リーダーとしてプロジェクトを管理している人にも少しでも役にたてて貰えれば幸いです。

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